top of page
DESIGN MAGAZINE
検索


店舗の価格設定はなぜ重要か|安さではなく価値で選ばれる店づくり
■なぜ価格を下げたくなるのか 出店を考えるとき、多くの人が「少し安くした方が売れるのではないか」と考えます。 競合より安ければ選ばれやすい。来店のハードルも下がる。これは自然な発想です。実際、価格を下げれば売りやすくなります。しかしその選択は、長く続く事業をつくるという観点では、大きなリスクを含んでいます。 ■安さは“売りやすさ”と引き換えに未来を削る 結論から言うと、安くすることはお客様のためになるとは限りません。むしろ多くの場合、 ・サービスの質を下げ ・再投資の余力を奪い ・事業の継続性を弱めます 安さは売りやすさと引き換えに、未来の選択肢を削る行為です。店舗の価格設定とは、価値を維持し続けるための条件です。 コンセプトをもつ前の「普通のテナント」 ■よくある誤解|安くすれば経営は安定する よくある誤解は、「安くすればお客様が増え、経営が安定する」というものです。確かに短期的には売上はつくりやすくなります。日々の営業も楽に感じるかもしれません。しかしその状態は、実は“逃げ”でもあります。価格を下げることで、 ・選ばれる理由を深く考えなくて済

白井 純平
5月14日読了時間: 4分


店舗コンセプトが必要な理由|いい店なのに選ばれない原因とは
■なぜ“いい店なのに選ばれない”のか 「料理も美味しいし、空間もそれなりに整っているのに、なぜか伸びない」 そう感じる店舗は少なくありません。原因の多くはシンプルで、「選ばれる理由」が設計されていないことにあります。いまの時代、一定以上のクオリティの店はどこにでもあります。その中で選ばれるためには、「なんとなく良い」では足りません。お客さんがその店を選ぶ明確な理由、つまり“意味”が必要です。 工事前のバーの様子 高級なお酒が並んでいるが、お店の価格感がわかりづらい ■コンセプトとストーリーは価格と集客の根拠になる 結論から言うと、空間におけるコンセプトとストーリーは、「なぜこの店に来るのか」「なぜこの価格を払うのか」を説明するために存在します。単なる雰囲気づくりではありません。事業として成立させるための根拠です。 この根拠がなければ、 ・価格は比較され ・集客は偶然に依存し ・リピートは安定しません 店舗コンセプトとストーリーは、売上構造そのものに関わる要素です。 ■よくある失敗|“〇〇風”で終わってしまう 多くの店舗で見られるのが、「〇〇風」で

白井 純平
5月13日読了時間: 4分


ワンオペ小規模店舗の開業計画で失敗しない考え方
■始めやすいが、最もつまずきやすい業態 独立開業を考えたとき、多くの人が選ぶのがワンオペの小規模店舗です。初期投資が抑えられ、運営も一人で完結できる。リスクが小さく見えるため、最初の一歩として非常に魅力的に映ります。しかし実際には、この形式こそ事業計画で最もつまずきやすい業態です。 小さいから簡単そうに見えるだけで、本質的には一人前の店舗と何も変わりません。ここを見誤ると、開業後に「思ったより厳しい」と感じることになります。 ■小規模店舗ほど“完成度の高い計画”が必要 結論から言うと、ワンオペ小規模店舗は「簡単な事業」ではなく、「精度の高い事業計画が求められる業態」です。小さいからといって、必要な機能が減るわけではありません。むしろ制約が多い分、計画の精度がそのまま結果に直結します。大規模店舗のように人や席数でカバーすることができないため、 ・単価 ・体験価値 ・空間の質 このすべてを高いレベルで成立させる必要があります。 客単価、空間性、料理の演出までセットで設計をした店舗 ■よくある誤解|小さい店はコストが安く済む よくある誤解が「小さい店は

白井 純平
5月12日読了時間: 4分


飲食店の初期投資と融資の正しい考え
■なぜ初期投資の判断で将来が決まるのか 出店を考えるとき、多くの人が最初に悩むのは「どこまでお金をかけるべきか」です。できるだけ初期投資を抑えたい、自己資金で安全に始めたい。そう考えるのは自然なことです。しかし実際には、この判断がその後の経営を大きく左右します。 開業後に苦しくなるケースの多くは、売上ではなく「資金の使い方」でつまずいています。 飲食店の初期投資は単なる支出ではなく、事業構造そのものです。 ここを誤ると、後から修正することはできません。 ■自己資金ではなく“借りた資金で構築する” 結論から言うと、初期投資は自己資金ではなく、創業融資を活用して行うべきです。自分の貯蓄を使って店をつくるのではなく、融資で事業を構築し、手元の現金は余力として残す。この考え方が、長く続く経営の前提になります。現金は、売上よりも重要な経営資源です。いくら利益が出ていても、キャッシュがなければ事業は止まります。 逆に言えば、キャッシュがあれば事業は簡単には潰れません。 借りた資金で構築するのは、事業を継続するためです。資金投入はキャッシュの都合だけでなく、変

白井 純平
5月8日読了時間: 5分


よい店はトイレが設計されている理由
■なぜトイレで店の印象が決まるのか 飲食店において、トイレは「ついでに使う場所」と考えられがちです。しかし実際には、トイレでその店の印象が決まることは少なくありません。料理や接客が良くても、トイレに違和感があれば、その接客体験は薄れていきます。 逆に、トイレにまで気遣いが行き届いている店は、「また来たい」という印象を残します。つまりトイレは、単なる設備ではなく、体験の一部です。 ■トイレは“単価を成立させる空間”である 結論から言うと、よい店はトイレを「設計」しています。特に高価格帯を目指す店舗において、水回りの完成度は単価を成立させる重要な要素です。 私がまだ新卒で都内で働いていた頃、とある接待の鞄持ちで東京日本橋にあるマンダリンオリエンタルのレストランフロアへ接待に行ったことがあります。そのレストランフロアはホテル利用者とレストラン予約者しか利用できないフロア専用トイレがあり、その世界観が当日の夜の東京として大変素晴らしかった記憶が今でも残っています。夜景を見下ろしながら過ごし、レストランへ戻る。ホテルのレストランでの「背筋を伸ばす食事」の小

白井 純平
5月7日読了時間: 5分


飲食店の出店計画で失敗する人の共通点とは
■なぜ売上は「伸びない」のではなく「伸ばせない」のか 飲食店を開業したあと、「売上が思うように伸びない」と感じる人は多いですが、実際には少し違います。正確には、「売上を伸ばす構造になっていない」という状態です。 店は出せば自然とお客さんが来るものではありません。どこにでもある料理や空間では、人はわざわざ足を運びません。意図的に人を引き込む動線をつくり、来店理由を設計する必要があります。 つまり売上とは、結果ではなく“設計されたもの”です。 この視点を持たずに出店すると、その後どれだけ努力しても「伸ばせない状態」に陥ります。 ■イメージではなく、事業戦略から空間をつくるべき 出店計画で失敗する人の共通点は、店を「イメージ」でつくってしまうことです。 「〇〇風のカフェ」「落ち着いた和の空間」 こうした方向性自体は悪くありませんが、それが事業戦略から導かれていない場合、参考にしたお店の単なる二番煎じになります。重要なのは、その空間が「なぜその価格で成立するのか」「なぜここに来る理由になるのか」という問いに答えられているかです。 事業として成立する空間と

白井 純平
5月6日読了時間: 5分
bottom of page