飲食店の出店計画で失敗する人の共通点とは
- 白井 純平

- 5月6日
- 読了時間: 5分
■なぜ売上は「伸びない」のではなく「伸ばせない」のか
飲食店を開業したあと、「売上が思うように伸びない」と感じる人は多いですが、実際には少し違います。正確には、「売上を伸ばす構造になっていない」という状態です。
店は出せば自然とお客さんが来るものではありません。どこにでもある料理や空間では、人はわざわざ足を運びません。意図的に人を引き込む動線をつくり、来店理由を設計する必要があります。
つまり売上とは、結果ではなく“設計されたもの”です。
この視点を持たずに出店すると、その後どれだけ努力しても「伸ばせない状態」に陥ります。
■イメージではなく、事業戦略から空間をつくるべき
出店計画で失敗する人の共通点は、店を「イメージ」でつくってしまうことです。
「〇〇風のカフェ」「落ち着いた和の空間」
こうした方向性自体は悪くありませんが、それが事業戦略から導かれていない場合、参考にしたお店の単なる二番煎じになります。重要なのは、その空間が「なぜその価格で成立するのか」「なぜここに来る理由になるのか」という問いに答えられているかです。
事業として成立する空間とは、見た目の雰囲気ではなく、
・どの客層に
・どの価格で
・どの体験を提供するか
という戦略から導かれるものです。
この順番が逆になると、空間は整っていても価格が成立せず、結果として売上を伸ばせない状態になります。

■よくある失敗~空間に“余白”がなく成長できない~
多くの店舗は、開業時点で「完成してしまっている」ことが問題です。
限られた予算の中で、席数を詰め、効率を優先し、その時点で成立する形に最適化する。
一見合理的に見えますが、この状態には致命的な欠点があります。
それは、成長の余白がないことです。
例えば、当初3,000円の定食として成立させた空間で、後から8,000円のコースに引き上げようとしても、その空間がそれを許容しません。
席間の余裕、滞在の質、照明、音、導線。これらが伴っていなければ、価格だけが浮いてしまいます。
空間は一度つくると簡単には変えられません。
だからこそ、開業時点でどこまでの可能性を持たせるかが重要になります。
■なぜ失敗が起きるのか~「なぜここで体験するのか」を設計していない~
根本的な問題は、「なぜこの店でこの体験をする必要があるのか」という問いが抜けていることです。商品が美味しいだけでは、いまの時代は成立しません。同じレベルの料理は他にもあり、価格だけで比較されれば、より安い店や利便性の高い店に流れていきます。
特に小規模店舗では、商品力だけで勝負するのは難しい。独占的な商品でもない限り、ECや他店舗との競争に巻き込まれます。そこで重要になるのが「体験」です。
空間、時間の流れ、滞在の心地よさ、店主との距離感。こうした要素が一体となって初めて、人は“わざわざ行く理由”を持ちます。さらに地方においては、新規顧客の獲得だけでなく、周辺住民のリピートが不可欠です。つまり、
・外から人を呼び込む“感動体験”
・日常的に使われる“生活に溶け込む場”
この両方を成立させる必要があります。
この設計がなければ、店は一過性で終わります。




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