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​駄菓子屋ひびのば 馬場川通り店

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馬場川沿いのまちづくりと相乗効果を生む「地域の縁側」の形成
 

群馬県前橋市の馬場川通りに面したビル1階路面の約10㎡の小区画に、「地域の縁側」となる現代的な駄菓子屋「ひびのば」をつくる改修計画である。

運営を行う株式会社CATENASは、ITを基盤に様々なものを「つなげる」ことで新たなビジネスを創出し、地域創生への貢献を目指している。同社が近隣の千代田町2丁目で運営する、学生とIT企業をつなぐコミュニティーサロン/シェアオフィス「GITY」(2023年11月オープン)の内装設計も弊社が行った。

GITY内でも営業する「駄菓子屋ひびのば」の「馬場川通り店」として、双方の連携を高めるよう計画し、2026/5/30に無事グランドオープンすることができた。その後2階に、書籍とアートを融合した文化拠点となる書店「灯ル」、そして企業向けのコミュニティサロン/シェアオフィスの整備を進めており、こちらは9月に開業予定である。

出店する馬場川通り沿道では近年、白井屋ホテルの開業を皮切りに、水辺を開き親水空間を整備した「馬場川通りアーバンデザインプロジェクト」に続く沿道の新築・改修プロジェクトが官民連携で進み、多世代を巻き込んだまちづくりが旺盛に進む場所である。

前橋まちなかに新しい交流とにぎわいを生む「地域の縁側」として、まちづくりの方向性やデザインと呼応させることでまち・人・事業にプラスの相乗効果を生むようなデザインが求められた。

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崖線地形を模した陳列棚カウンター ー地域性~身体性に寄り添う象徴的インターフェース/ファサードー

 

馬場川は前橋台地と広瀬川低地の接する、河岸段丘状の崖線の下に流れており、入居する天元ビルがまさに、この崖線の1フロア分の高低差を吸収しながら建っている。このような「近代の都市・建築により不可視化されてきた地域固有の地形的特徴を再評価」し、駄菓子等を陳列する造作棚カウンターは、下から上に向かって河岸段丘状にせり上げ、この場所の崖線地形を模した形状とした。

この「都市の中に埋もれた自然・地形の再評価と形象化」は、白井屋ホテル、アーバンデザインプロジェクト等にも通底する、周辺まちづくりの重要テーマの一つとして捉え、近隣と連動した魅力的な都市環境の創出に貢献することを目指した。

10㎡の極小面積の中で、床から天井一杯まで活用した棚カウンターにより高さ方向で十分な陳列格納スペースを確保しながら、崖線状の凹凸を与えることで、子どもの目線から大人の手の届く高さまでを連続的に横断し、しゃがむ/背伸びをする/覗き込むといった身体の動きを誘発する。世代を超えた共通言語としての駄菓子を、世代を超えて楽しむための襞を、崖線状の棚形状の中に織り込んだ。

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日々の場にヒビを入れる「ひびのば」 ー「ひび割った木」の再構成で形にする事業コンセプトー
 

「ひびのば」という事業名には、誰からも親しまれる「日常の場」としての「日々の場をつくる」とともに、これまでの常識に「ヒビ」を入れ、新しい創発を生み出していくため「日常にヒビをいれる」という事業の根幹となるコンセプトが込められている。

「象徴的に事業コンセプト自体を形象化」する空間デザインとして、「ひび割った木片(ストランド)を凝結」した「OSBボード」を用いて陳列棚カウンターを製作することにした。

尺貫法によるボード規格3尺(910mm)×6尺(1820mm)に対し、同じように尺貫法モジュールで規格板に改めて「ひび」を入れることで、この場所の河岸段丘の崖線地形をなすための多様な寸法材を歩留まりよく入手し、陳列棚カウンターとして組み上げた。

常識にヒビを入れながら新しい日々をつくる。日常/非日常の対比を融和する事業コンセプトに呼応して、自然素材・木をひび割って再凝結した規格板を、古来の尺貫法で再度ひび割り、場所の地形を形作る。人工・規格材/自然・地形の対比を融和しながら、駄菓子をきっかけに多世代の新たな出会いと交流を生み出す象徴的なインターフェース/ファサードとしての棚カウンターをデザインした。

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まちに灯る「ひび」

小さな空間にひびを入れるように、ラインライトを頭上に浮かせた。崖線地形をなす棚の起伏に光陰をつくりながら、日が落ちると、全面ガラスを抜けた光が遊歩道公園と赤城山系の植栽を照らし出す。立ち寄りたくなるようなあたたかい暖色光で、馬場川通りの夜景に小さな灯りを加えた。

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まちと一体化する「地域の縁側」

僅か10㎡ほどの区画奥に衛生基準を満たす区画されたおにぎり・焼きまんじゅうの調理場を設けると、残りは場所と一体化する象徴的インターフェースとしての駄菓子棚カウンターで室内スペースは埋まってしまう。前面の遊歩道公園・アーバンデザインプロジェクトで整備されたベンチ・カウンターは店公認の客席として、まちに密接不可分に開くことを前提にした計画である。まちに開き、広がる地域の縁側として、オープン以降、新たな出会いと交流を生み出している。

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創発を生む情報宇宙「GITY Babagawa」 ー浮遊・重層する情報の星座が生む創発ー
 

2階には、書籍とアートを融合した文化拠点となる書店「灯ル」、そして企業向けのコミュニティサロン/シェアオフィスの整備を進めており、こちらは9月に開業予定である。

企業と学生、街の人々といった多様な人々と情報が出会い、交流することで新たなビジネスが次々と創発されるような、人と情報の偶発的な出会いと交流を促進する空間デザインが求められた。

区画中央の縦シャフトを中心に、同心円状に巻き付いた区画形状より、地球上のこの場所を中心として、放射状に宇宙にまで至る膨大な空間と数多の星々が投影された、星空のような空間を構想した。

情報の拠り所としてのワイヤーメッシュを浮遊・重層させ、星空のような吊り照明が多数の情報を照らし出す。

一見無秩序に星が点在するだけの星空に、有意な関係とパターンを見出して星座という象徴的な価値を見出していくように、宇宙のように膨大な情報空間を凝縮し、多様な人と情報の新たな出会い・創発を生み出す象徴的な場所をデザインした。

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Principal use

Team

Retail(1F), Comunity Salon+Share Office+Bookshop(2F)

Director/Jumpei SHIRAI  ,  Architect/Takumi TAKAMASU

Year

Contractor

2026.5(1F) , 2026.9(2F)

Location

Maebashi, Gunma, Japan

Housing+

Photograph

​Jumpei SHIRAI

GFA

10sqm(1F) ,  92sqm(2F)

関連プロジェクト

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