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GITY

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前橋の景観と大学キャンパスを取り込んだ交流空間
 

前橋市の駅前けやき通りに面する集合住宅2階に計画された、IT学生と企業が連携を図れるコミュニティサロン。
学生と企業人の交流を促し前橋を盛り上げていきたいという施主の想いから、空間デザインは「大学キャンパス内に広がる余白空間」のような多様な人がすれ違い、会話の生まれる空間を設計することを目指しました。余白空間の周囲には、箱状の「企業オフィス」が配置されています。
空間デザインは前橋市の都市景観の代表的素材として推奨されているレンガと植栽を用いることで、本プロジェクトが立地する駅前けやき通りの景観をインテリアまで連続させることに成功し、大学キャンパスを思わせる空間を前橋独自の景観と融合させる試みとなります。
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学生と企業の交流を誘発する仕掛け

このプロジェクトは利用する学生の能力を最大限に引き出すことに主軸を置いています。登録学生が無料で利用できる「余白空間」として、周囲の企業オフィス壁面に設けられた情報ディスプレイを視界に捉えつつ、自由に回遊することのできる作業や勉強の場を設計しました。企業の発信する情報に加え、滞在する企業の担当者と交流が図りやすいように設けられた企業オフィスの開口部がより一層の交流を誘発します。
交流する空間をキャンパス的にデザインしたのは、場を共にするコミュニティとして「見覚えのある仲間」と感じてもらえる心象風景を目指しているからです。こうした交流の延長線上にビリヤード、ダーツといったアクティビティを介した新たな人間関係を生み出すことが可能なのではないかと考えています
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企業にとっての新しい価値をもつオフィス空間を考案
プロジェクトの主軸が学生であることに対して、利用登録し入居する企業にとっての価値は「交流機会」となります。若いIT人材と交流し、将来の人材確保や協力者として関係を築くことができる場として考えると、オフィスとしてのこの空間は企業側の労働環境とは別の新たな価値観を見出すことができます。
先々の人材育成と、人間間の横のつながりにより、この場所を今後盛り上げる人達の関係性が新たな企業のビジネスチャンスやチャレンジ機会を創出することを目的とした空間でもあります。
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あたらしいオフィスの先にあるカスタマイズ・拡張性

多くの壁面はOSBボードで作られており、IoTセンサー等を壁面の自由な位置に取り付けることができます。たとえば、温度湿度センサーと土中水分センサーなどを各所に配置し、一定条件を満たしたときに自動的に植物に水やりが行われるような仕組みなどが容易に設置可能です。このような実験場として使える空間としてのプラットフォームを用意することで、学生たちの自由な発想を開放させ、より挑戦できる特別なキャンパス空間として進化することが期待されます。また、この都市的な平面計画はインターネット上に仮想空間として再現することができ、アバターの配置位置や残響シミュレーションなどにより一層リアルに場所と仮想空間をつなぐ実験ができます。こうした試みにより「インターネットを利用した場所に囚われないバーチャルコミュニケーション」の可能性を引き上げ、「実空間と仮想空間を行き来する多元的なコミュニケーション」の未来を検証することができるのではないかと考えています。
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プロジェクトデザインチーム
 
このプロジェクトのデザイン関係者はすべて「県内人材」に限定されてチームを組むことになりました。これはクライアントの「群馬県内の人材の力で実現させ、群馬県の人材における未来づくりをしたい」というグランドビジョンに基づいた企画だからです。地方創生を地方のリソースにより形作るモデルになるのではないかと期待されます。

Principal use

Team

Office, Comunity Salon

Jumpei SHIRAI, Takumi NAGAI

Year

Contractor

2023.11

Location

Maebashi, Gunma, Japan

Rayures

Collaborator

Arukutako (Graphic Design), Ayanas (Vegetation design)

GFA

533sqm

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