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鶴ヶ島霊苑開栄寺樹木層永代供養墓

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49日の時を受け止める49種の樹木の霊苑

寺の庭園に造られた樹木葬墓地を、新たなコンセプトで再構築、拡大するリノベーションである。墓地という場所を、残された家族が、故人を想い、個人または自分と向かい合う場所として、49種類の色とりどりの樹木で構成される一つの大きな杜を創出した。この杜は、四季折々の変化を重ねながら、年を重ねる毎に育ち、風格を増していく。
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現代の想いを紡ぐ新しい霊苑

 私達は49日をどれほど喪に服しているだろうか。仏様となった方に近い親等に位置しなければさほど考えていないかもしれない。墓地は墓仕舞いを中心に更新の時代を迎えている。
 墓はグローバル化と核家族化により、親戚が離れて暮らす時代に変わったため注目度がさがってきている。少子化社会とIT化により、コロナ禍にて発見されたweb帰省の可能性から、墓に向き合う生活は薄れてきている。
 樹木葬とは集合墓の一種である。大きな墓石がシンボルツリーに置き換わっただけでは現代の墓として何も解決はしない。私達は死んで集まるというある種のシェアの改善余地を、目の当たりにした。その結果新しいコンセプトを樹木葬に与えることが重要だと考えた。

 
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樹木層という様式に新しい意義を見出す

 樹木葬は霊園型と里山型に大きく分類される。このプロジェクトでは前者であり、管理の人手不足から樹木が一本を囲うように墓標を並べるタイプがほとんどである。樹木葬と呼ばれるには植物は少なく、特にコンセプトも見当たらないものが多い。墓仕舞いにちょうどよい低価格な新しい墓地という認識のされ方が一般的だ。
 ここでは49種の植物を従来の墓標配列型と、マンションタイプと呼ばれることもある収納棚型の墓を、生命を感じされる円弧を使った形状にデザインされている。49種のたくさんの植物により囲まれ、華やかで大勢の仲間や信者に囲まれ、仏様として暮らす極楽浄土を想起させるコンセプトを掲げた。これまで樹木葬がコンセプト的な意味をもっていたが、タイポロジーとしての樹木葬が生まれてきたため、コンセプトを有するデザインを提案した。
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選ぶことができる
本当の意味での「終の住処」

 墓は現代において負の不動産として考えられる傾向が強い。子孫へのお荷物扱いとしてみられるケースが増え、墓仕舞いが進む。樹木葬はその解法として着目され、市場は静かにだが確実に動いている。墓は、いつかは死に方を含めた「計画性」が求めらている。この自然葬は自らの死を、先祖の行方を、前向きに選ぶためのデザインであってもらいたい。
 現代においては地球に還る死に方などが魅力的思われている傾向が強いが、この先宇宙葬というSF的なロマンチシズムすら実現できるかもしない。私達は自らの身体の行方をデザインし、選択する自由を得られた時代に生きているのかもしれない。
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「この樹木葬があってよかった!」と喜ばれた

樹木葬の形骸化した簡易墓地のような世界観から踏み出した姿を検討することにし、新しい49種の植物により49日の日々による仏様と残された人々のつながりの場として墓地をデザインしなおした。新たな購買者が口ずさむ「この樹木葬があってよかった」という言葉を耳にしたことが最大の喜びと感じる。

Principal use

Team

Cemetary

Jumpei SHIRAI

Year

Contractor

2024.04

Location

Hidaka, Saitama, Japan

Earth net

Collaborator

Tsukuyomi (Vegetation design)

Munetaka Onodera (Photography)

GFA

480.00sqm

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