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Swing Bar

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老舗の風格へ

越後湯沢で17年の歴史を刻んだSwing Barのリニューアルプロジェクト。湯治の名地、ウィンタースポーツの拠点として時代の変遷と共に歩んできた温泉街に立地するバーは地域に愛され、観光客に利用されてきた時間と共に老舗店への経営フェーズを移行させる時を迎えた。このプロジェクトの最大の課題は、観光客はもちろん、地元住民の利用を含めた多様なニーズに応えるバーの姿形を模索することであった。
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Swingするバーカウンター

 性別・年齢・国籍・目的などが多種多様であることはもちろん、観光地という特性上マーケティングの観点からも客層というものがつかみづらい条件下のバーとしてデザインの拠り所を絞る必要があった。そこで主軸をカウンターに置き、焦点を形状に合わせることとした。揺れる線のようなカウンター、曲がりうねったバーカウンターは店名のSwingと重なり、象徴的な姿となり鎮座する。
 バーカウンターは、その曲率に応じてグループ席やペア席、プライベート席といった性質を入念にシミュレーションし形状を決定した。曲線により視線が多方に散り、多種多様な人々の適度な距離感を操作することができた。越後湯沢という場所柄のように、多様な来訪者を受け止めることができる1枚のスイングしたバーカウンターができあがった。
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目に飛び込むカウンター、振り返るとボトル棚

 湯沢町の冷え込みは強い。店内の環境保全のため前室を設けたことにより、お客様は一旦一息をついてから入店する。扉をあけると大きな湾曲カウンターが目前に広がる。そのカウンターは歩行動線を自然に促し、奥へと誘う。振り返るように座るとロングカウンターと同じ長さの巨大なボトル棚に世界各国のお酒がひしめくように並ぶ。地下1階の店舗であることもあり「地下の秘密基地」のような演出効果が期待される。スイングしたカウンターは人々の距離感を確保すると同時に視覚効果も発揮され、スノーシーズンの賑わいだろうがオフシーズンの落着きであろうが関係なく、人々を受け入れる場として堂々としている。
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スイングしている文字 ”S”

 新しい姿となったSwing Barにふさわしいロゴを考案した。アルファベットの中で最も曲線が激しい文字の一つに ”S” があるといえよう。この字体をロゴとして捉え、堂々とスイングさせるようにデザインした。
 サイン以外にコースターにも利用され、大きく湾曲しているカウンターに酒の置き場所 として目印となるセンターポジションに "S" を定めた。

 
次の20年、そして半世紀へ

 老舗とは地域の誇りでもあり、信頼でもある。業種を問わず老舗としての姿は地域のあり方を反映したものとなる。Swing Barは越後湯沢駅から、そして温泉宿からの地域外の訪問客にとっていずれはブランドとなることを目指している。また地域住民からは宿木として心休めに訪れる場所として、地域の館骨の一つなることを目指している。Sinceという冠をつける時は近い。

Principal use

Team

Bar

Jumpei SHIRAI

Year

Contractor

2024.12

Location

Yuzawa, Niigata, Japan

GFA

124sqm

Free Colors

Collaborator

Rhyme Design (Interior design, Graphic design)

Mayu Morita (Photography)

(C) SHIRAI ARCHITECTS. All rights reserved. 
群馬県高崎市鶴見町1-1丸三高崎ビル2A 027-381-6041
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