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REBOOT COFFEEBAR TAKASAKI
店と街を再起動(REBOOT)する内装 ー群馬・高崎を象徴する山への斜軸で指し入れる真正の素材ー
「群馬県高崎市中央銀座商店街に位置する、30㎡ほどの浅煎りスペシャルティコーヒー専門店REBOOT COFFEEBARの内装改修計画。生産のプロセス・質に徹底的に拘った真正のスペシャルティコーヒーと、その個性を最大限に引き出す浅煎り焙煎、そしてそれを提供する場作りによって高崎という街の再起動(REBOOT)を目指す、同店の持つ高いビジョンを正に具現化するための空間を追求した。
木とコンクリートモルタル ープロセスを刻む質感に優れた真正の素材ー
ドリップまでのあらゆるプロセスを味わいとして表現するコーヒーを愉しむ空間を包む素材としては、コーヒー同様に「プロセスを刻み込みながら、質感に優れた真正の素材」が相応しいと考えた。具体的には「木材としての厚みを有する本実木板(チーク)」を天井及び一方の壁・棚、「粒状体を流し固めてつくるコンクリート/モルタル」を床及びもう一方の壁・棚・カウンターと、フェイクではない真正さを持つ対の2素材を適所に配し、対等に対峙させる内装とした。
木材そのものに包まれる空間 ー施工区分を超えて通す木割ー
本実木板は、壁と天井、建築(壁)と造作家具(棚)といった施工区分を超えて共通に貼り仕上げていく中で、幅75mmという木板そのものの既成幅が、施工区分を超えて切欠きなく通るように留意した。施工上の便宜的な区分によらず「木材そのものの素直なあり方に包まれる」という真正な体験の空間効果をより高めるためである。
木目と研出し ーコンクリートの本質を表し出す表面仕上ー
コンクリート打設で成形したカウンター部分においては、その側面では木本実型枠により木板壁仕上と呼応するように木目を映しとる表情としながら、手で触れる天板面では打設後滑らかに研ぎ出すことで、コンクリートを構成する骨材の断面をそのまま表し、粒状体を流し固めてつくるコンクリートの本質とそのプロセスの真正さを表し出している。
群馬・高崎を象徴する山への斜軸 ー矩形区画に差す斜軸による様々な体感効果ー
矩形の店舗区画に対し、新しく造り付ける造作棚・カウンターは、群馬・高崎を象徴する山である赤城山と観音山に向かう2つの斜軸に沿った形状とした。型枠に流し固めるコンクリートの特性を生かした斜め形状により、群馬の山並みのような象徴性をまとうカウンター造作、区画奥に伸びていくパース効果によって沿道のお客様を引き込む効果、室内のお客様に対して造作棚の展示物を相向かいに顔を向けることによる視認性の向上、矩形の既存店舗区画に対し斜め棚に沿った斜めスピーカー音源配置による反響音環境の向上等、体感上ポジティブな複数効果を狙い、実際にその効果を発揮している。
店と街を再起動(REBOOT)する内装 ー群馬・高崎を象徴する山への斜軸で指し入れる真正の素材ー
提供するコーヒーそのもののような「プロセスを刻み込みながら、質感に優れた真正の素材」を、直交軸による矩形の街並みに対して、群馬・高崎を象徴する山への斜軸で差し入れる。お店と街に再起動(REBOOT)をかける、ささやかながら最善の1手を指し入れた。
Principal use
Team
COFFEE BAR
Director/Jumpei SHIRAI, Architect/Takumi TAKAMASU
Year
Contractor
2024.11
Location
Takasaki, Gunma, Japan
reyures
Photograph
SHIOYA Tokyo
GFA
30 sqm
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