top of page
飯能の家-山と川のハレ間-/House in Hanno
山と川のハレ間
飯能市の入間川沿いの崖上に広がる計画地は、山と谷川の間にある緩斜面の土地です。北側は高低差約20m急斜面に広がる竹林で、南側にはハイキングコースでもある山の近景が広がります。祖父母の住居である古屋を解体し、都市部から移り住む孫家族の新しい生活の場をつくるため計画がスタートしました。長く親族に受け継がれた敷地は、建て主にとって多世代にわたる絆と記憶を継承することを意味します。飯能市には多数の遺跡が発見されていて、古くから生活が定着していた地域となります。人と大地の関係が深いこの場所に移住する家族にとって、マンションという積層した中空の平屋群の生活から地表に住まう生活への変化が重要と考え、平屋住宅を考案しました。
計画地は市街化調整区域であることから、これからも一族が継承していくことでしょう。そこで、永く利用される住まいの骨格をつくることが本家の跡地に作る家として相応しいと考えました。住まい手が継承する度に建物を建て直すのではなく、山間の風景を家の中に取り込むことで、空間が土地と共に次世代の家族に継承されていく住まいを築きました。
建物中央に配置された南北に面するリビングダイニングは家族の集いの場です。地形の高低差を活かし段差により緩やかに仕切られたリビングとダイニングは、山の風景を感じる大きな曲面天井に包まれ一体感をおぼえます。
水回り諸室は家事動線がコンパクトになるように西側にまとめ、静かで竹林の眺望のある北東を主寝室、明るく採光条件のよい南東を子供室としました。
リビングとダイニングの段差が西側に計画されることで、壁隣の主寝室と子供室を遠くしています。最も近しい他人である親子の関係を住宅設計の中で体現しました。
住まいが親子関係を主体とし、特定の人物像を目的としないことが継承される住宅としての基盤にあると考えました。南北の集いの場が家族のハレ間となり、親戚や親子間コミュニティとして永く引き継がれるよう想いを込めました。
Principal use
Team
Private Residence
Jumpei SHIRAI
Year
Contractor
2023.08
Location
Hanno, Saitama, Japan
GFA
100sqm
Miyashita kenchiku
Collaborator
Shikine Watanabe(Structure design), ツクヨミ風景想造処tsukuyomi landscape(Landscape design), Photography by Froward Stroke
bottom of page